こんにちは。
I&U BIM STUDIOの片山です。
仕事のご依頼を頂いた際に、「図面の切り出しの出来るBIMモデル」の作成スケジュールを提示すると、驚かれることが良くあります。
お話を伺ってみると、モデルさえ作れば簡単な操作で、平面図や断面図、立面図ができあがると思われている方が意外に多いです。
とはいえ、作業工程を説明すると「なるほど」と納得されるのですが、よくよく考えてみると、自分自身で検証したことがなく、実際のところ、どれくらいの差があるかは感覚でしか分かっていません。
という事で、BIMモデルと2D図面の作業に関するところを、これから比較検証してみます!
アプリケーションは、2Dでは「AUTOCAD」、BIMでは「ARCHICAD」を使って検証してみます。
平、立、断面図を、2D図面として完成させるまでのプロセスの中での操作を中心に比較してみます。
まずは、操作内容について比較してみます。
図面化するために、必要な操作の種類がどのくらいあるか書き出してみました。
AUTOCADでは…
1.線を引く
2.ハッチングを入れる
3.テキストを入力する
4.寸法を入力する
5.線をオフセットする
6.ブロック化する・配置する
7.外部参照
8.ブロック参照
9.線種の設定
10.色の設定
11.コピー
12.貼り付け
13.移動
14.消す
15.線をトリムする
16.線を延長する
17.レイヤーの設定
ポリライン、スプラインは「線」に含めます。
細かな操作は挙げだすとキリがありませんので、代表的なものだとこれくらいだと思います。
ARCHICADでは…
1.壁を設置する
2.柱を設置する
3.梁を設置する
4.スラブを設置する
5.屋根を設置する
6.階段を設置する
7.ゾーンを設置する
8.フロアを設定する
9.通芯を設置する
10.建具を設置する
11.敷地を設置する
12.オブジェクトを設置する(方位、家具など)
13.線を引く
14.りつぶしを入れる
15.テキストを入力する
16.寸法を入力する
17.線をオフセットする
18.ラベルを設置する
19.ホットリンクの設定
20.線種の設定
21.ペンとカラーの設定
22.コピー
23.貼り付け
24.移動
25.消す
26.一括ストレッチ
27.レイヤーの設定
28.断面図マーカーを設置する
29.立面図マーカーを設置する
30.ビューを登録する
31.マスタレイアウトを登録する
32.レイアウトを登録する
33.表現の上書きの設定
細かく言うと、壁などの個々の要素毎に線種、カラーなどを設定することをしますが、1つにまとめました。
代表的な操作を並べてみましたが、AUTOCADは「17個」、ARCHICADは「33個」と、操作種別で言えばほぼ倍の違いがあります。
操作内容については、AUTOCADで出来る操作は、ARCHICADではほぼ出来ますので、ARCHICAD独自の操作が、種別の差を生み出しているようです。
具体的には、壁などの「要素」に関する操作、断面図マーカーやレイアウトなどの「3Dから2Dへの切り出し」のための操作がそれにあたります。
これを見るだけでも、これまで2Dの経験しかない人が改めてBIMソフトを覚えようとすると、標準的な操作だけでも倍の数を覚えないといけないという大変さを感じることが出来ます。
操作の一つ一つをとっても、BIMソフトの場合は、設定しなければいけない項目も多く、それぞれの意味を理解していないと、2D図面としてだけでなく「BIM」モデルとして完成させることがさらに難しいのが現状です。
次回は、そういった部分をもう少し掘り下げた形で比較したいと思います。
…次回に続く
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